童謡には美しい旋律と共にその詩(歌詞)のなかに、人として必要な「愛や思いやり、感謝」といった優れた情操が織り込まれています。「三つ子の魂百までも」という言葉にあるように、この時期に童謡を聴かせたり、親子で童謡を歌ったりすることは、子どもの感性を養い、優れた情操を育む原点であると信じています。
かつて、童謡は親から子、子から孫へと当たり前のように歌い継がれてきました。一定の世代以上の方々にとっては涙が出るほど懐かしい童謡ですが、一方で若い子育て世代の方々のなかには、残念ながら「童謡を知らない・歌ったことがない」という方も少なくありません。童謡が歌われる機会が減ってしまった要因は、核家族化や共働き世帯の増加、娯楽の多様化など、様々なことが考えられます。いずれにせよ、歌い継がれるべき童謡が次世代へ継承されないというのは、日本の文化の消失です。日本の文化である童謡を次世代へ継承することが当会設立の目的であり、社会的使命であると自負しております。
日本童謡の会は、冠婚葬祭互助会である株式会社くらしの友が発起人となり、設立に至りました。結婚式やお葬式などの冠婚葬祭は、人生の節目の儀式であると同時に、子どもたちが家族や友人への「愛や思いやり、感謝」を培う大切な場であり、童謡と同じく次世代へ継承すべき日本の文化です。
全てが刻々と変化する「スピード社会」ではありますが、人として大切なことは、今も昔も本当は変わりません。大切なことを次世代へ伝えたい、という強い意志のもと、童謡の普及・保存活動に尽力いたします。
童謡憲章
- 私たちは、次代を担う子どもたちと共に、営々として築き挙げられてきた伝統文化を引き継いでいきます。
- 私たちは、戦後の高度経済成長時代に無自覚に捨て去ってきた我国固有の伝統を「もの」「こころ」の両面で取り戻す努力を果たします。
- 私たちは、童謡を日本の伝統の中から生まれた文化的遺産とみなします。
- 私たちは、童謡に歌い込まれた心情が、私たちに感動と、感激と感謝を与え、人間の生命活動、創造活動に極めて重大な働きをすると考えています。
- 私たちは、山紫水明に恵まれた自然を守り、伝統文化の継承から生まれた新しい時代に相応しい童謡を生みだし、真に日本の将来と国際的に役に立つ子どもたちを育てていきます。
- 私たちは、豊かな人間性の形成を目指して、童謡の普及と発展を願うものです。